第11期 林業士講座より
第11回 午前「森林の文化」 引き続き 「閉講式」「親睦会」
講座日 2014年12月3日(水) 場所 高槻森林観光センター
天気 曇り    
 
 この日の午前中の講義で、H26年度の全ての講座が無事完了しました。途中のリタイアもなく、それどころか素晴らしい出席率ですべてのカリキュラムを修了できたことは喜ばしい限りでした。又、積極的に取り組まれた受講生の皆さんに支えられたものでした。
 何よりも、事故もなく充実した講座を実施出来た事には、受講生や講師の先生や関係の皆さんのおかげと、感謝しています。
 最終講義の「森林の文化」は、日本人と森とのかかわりを、歴史を追って見つめ直すものでしたが、本講座の集大成であると同時に、受講した皆さんの今後の活動の指針としてふさわしい内容となるものでした。
 引き続き行われた閉講式では、高槻市や森林組合などから祝福の挨拶を受け、一人一人に市民林業士認定証が手渡されました。受講生の皆さんは、これで晴れて市民林業士の一員となられました。多くの皆さんが、森のプラットフォーム高槻に参加されることを決意されており、頼もしい限りです。日々の森林作業だけでなく、市民との懸け橋となって活動を始めて頂ければと期待が膨らみました。
 例年のように、修了を祝う親睦会を皆さんと共にすごし、今年の講座を閉じる事が出来ました。
 この半年間本当にお世話になった関係者の皆さんには、この記事を通じて、改めて御礼申し上げます。                                  (記 アシスタント Y.Y)







修了証書手にした受講生と関係者の皆さん
第10回 「ボランティア」「チェーンソー体験」
講座日 2014年11月21日(水) 場所 高槻森林市民交流センター敷地内
天気 曇り    
 
 午前中は、ボランティア活動の話、「義務3分、楽しみ7分」のかかわりでボランティア活動に参加しましょう。分りやすい言葉に、皆納得した様子でした。実際、森のプラットーフォーム高槻では、この精神で活動を続けています。
 午後は、「チェーンソー体験」。体験実習の前に、森林組合の講師より、機械の使い方、手入れの仕方、注意しなければいけない安全面のポイントなどの説明と実演を受け、受講生全員が、ヒノキの玉切りで、チェーンソーを実際に操作しました。
人それぞれの期待と受け止め方がありました。
 「こんなに効率が良いとは」「怖くて私は使わない」「安全に十分に注意して使いたい」など、受講生の感想にその様子が良くあらわれていました。        (記 アシスタント Y.Y)

体験実習前の講義(左)と実演(右)
第9回 「竹林整備実習」
講座日 2014年11月5日(水) 場所 城山地区
天気 曇り    
 実習最後のテーマ「竹林の整備」です。私どものホームページの「高槻の森林」のコーナーに詳細に紹介していますが、高槻の竹林面積は大阪府下第一位(199ha)を占めています。高槻市の森林面積が広いので「そんなにあるの」と錯覚してしまうのですが、竹林の整備活動は重要な課題です。
 樹木と違い、竹の伐採や整備は固有の技術、知識が必要になります。道具一つをとっても、竹伐り用のノコギリを使います。竹は繊維が固く、樹木用のノコギリだとすぐに傷んでしまいます。又、中が空洞ですので軽く、安易に考えがちですが固有の難しさがあります。こうしたことを、実習の中で体験、学習しました。受講生の皆さんの多くが、実習後、「もっと簡単だと思っていた。」「今までの実習の中で一番疲れた。」「積もっている竹の葉っぱで足を取られて、姿勢を保つのが大変だった。」「倒れるときのスピードが人工林などと比べて圧倒された。」等、実習の成果が表れる感想を述べられていました。
 極めつけは、切っても切っても一向に変わらない竹林の様子です。竹の密度が圧倒的で、容易にはやり遂げたという達成感を得られない事です。そして、切った竹の使い道が見えてこない事です。このことが残念なのですが、心にずしんと響いてきます。
 しかし、毎年の変化を見ている私からすると、確実に対象地域の竹林が明るく開けたものになっているのが分ります。やはり、継続することが大切なのだと実感できる実習でした。
 実習地域の城山地区は、アドプトフォレスト制度によって、企業のボランティア活動が積極的に整備活動に参加している場所です。こうした企業のボランティアの活動を、この市民林業士講座を修了者した私達「森のプラットフォーム高槻」の皆さんが委託を受けて指導しています。
 後日、受講生の中から、「竹林整備実習は5月に行いたい。」との声が聞こえてきました。筍のシーズンです。筍のうちに刈り取っておくと、作業も楽ですね。そして、それを少し味わう楽しみも。ですが、講座の開催は今のところ夏からです。実習では難しいですね。
                                      (記 アシスタント Y.Y)
第8回 「林業の現状と課題」及び「木材の利用」
講座日 2014年10月15日(水) 場所 高槻森林市民交流センター
天気    

 市民林業士養成講座も終盤を迎えます。この期に、改めて森林を取り巻く問題点を考える講義です。
 午前中は、大阪大学環境イノベーションデザインセンター特任教授栗本修滋先生による「林業の現状と課題」です。栗本先生の講義は、いつも本質にズバリと迫る鋭さと歯切れの良さがあり、テーマは「林業」となっていますが、林業に限らず森林を取り巻く環境について幅広く現状と課題を示していただきました。
 今年は、広島の土砂災害の直後でもあり、前半は「災害と自然の復元」でした。先生が直接調査に当たられて、2009年の佐用町での豪雨による土砂災害の調査報告です。5年前とはいえ災害被害の大きさからも記憶に新しく、興味深いものでした。中でも、大規模土砂災害時にいつも人工林が悪者にされますが、「こうした規模の災害は、人工林であろうと天然林であろうと植生など関係ない」と「起こるべくして起こっている」とバッサリ断言されていたのは印象的でした。
 広島型の土砂災害は大阪では、生駒山系に同様の構造があり同等の豪雨があると危険だという事です。高槻には該当する場所は少ないそうです。
 午後は、森林組合の職員の方から、「木材の利用」として、木材の基礎知識や木材のメリット・デメリットを学びました。火災が発生した時、鉄よりも木材の方が被害を最小限に食い止めるという事をご存知ですか?鉄骨や石材と比して、木材や森林がいかに優れているかを学び、森林を取り巻く環境が厳しい中で、ホットする想いがもてる内容の濃い講義でした。
 受講生の皆さんも学ぶところが多く、講座後の班ミーティングでも、その興奮はとどまらずいつも以上に時間をかけて議論が続きました。               (記 アシスタント Y.Y)

 
  左:「林業の現状と課題」での質疑応答     右:「木材の利用」での木材の加工例 
第7回 「間伐実習(人工林)」
講座日 2014年10月1日(水) 場所 樫田 中畑地区
天気    
 前回の人工林実習と同じ場所での間伐体験実習でしたが、今回は理論にのっとった間伐実習です。
 素人が間伐を行う時、どのような木を何本くらい間伐すれば良いのかなかなか判断が難しいものです。そこで、一定の範囲の木の本数を数え、代表的な木に高さ、胸高直径を測定し、間伐の必要性などを判断します。
 今回の実習場所は測定結果、明らかに間伐手遅れの林であることが分りました。
 樹高の測定は、ある程度目測が入るので誤差が出るのですが、見込みどおりかは伐木した後に実測して確認します。すると、意外にもほぼ正確であることが判明しました。半信半疑測定していた受講生のみなさんの顔には、驚きの表情が現れていました。
 樹高、樹冠長、樹冠長率、形状比、胸高直径などの専門用語を、身をもって体験しました。
 間伐方法にも、定性間伐法や定量間伐法があり、定性間伐法には下層間伐、上層間伐、択伐的間伐、利用間伐等、様々な考え方があることも学びました。
 市民林業士講座がただの体験講座ではなく、プロの指導による理論に基づいた高度な講座であることを体験できる良い機会でした。市民林業士は市民とはいえ、森林ボランティアの皆さんを指導する立場にも立ちます。きちっとした知識と技術を身に付けておくことは大切であることを実感できた実習でした。
 実習も3回目を数え、受講生の皆さんも無理な力が抜け、冷静な判断と、的確な声掛けが出来るようになりました。頼もしい成長ぶりです。

 実習報告:
 実習で計測した結果と考察を掲載します。
1班の測定木:樹高:12m、胸高直径:14cm、樹冠長:9m、
         形状比:86、樹冠長率:75%
2班の測定木:樹高:15m、胸高直径:15cm、樹冠長:4.5m、
         形状比:100、樹冠長率:30%
3班の測定木:樹高:16m、胸高直径:15cm、樹冠長:7m、
         形状比:107、樹冠長率:44%
  各班の区域内立木本数 1班22本、2班25本、3班27本でした。
 各班それぞれに特徴があります。特に1班には際立った特徴が出ていると思います。樹冠長率は理想的です。形状比も大きいとはいえ他と比べて、まだましです。本数も22本と他と比べて少なめでした。個人的想像ですが、測定した場所が、尾根筋に近く、本数も少なめでしたので光条件が比較的良かったのではと思います。  
                                         (記 アシスタント Y.Y)
本文左写真:樹高を測定しています。

 

左:10m×10mの区画を定めています。  右:対象木の胸高直径を測定しています。
第6回 「府内での府民協働(森林整備活動事例)」及び「救急救命講習」
講座日 2014年9月17日(水) 場所 高槻森林市民交流センター
天気    
 第6回目は座学です。
 午前中は、大阪府北部農と緑の総合事務所の職員の方より、大阪府の進める緑化の施策や府民協働の森づくりについての講義でした。大阪府では、アドプトフォレスト制度として、企業などの一般事業者が森づくりにボランティア参加し森林整備を進める制度を行っています。
高槻市内の森林整備に参加している5企業の活動が紹介されました。そのいずれにも市民林業士講座の卒業生で構成している私達、森のプラットーフォーム高槻が指導していることも詳しく紹介され、受講生の皆さんも誇らしく思われた事と思います。
 午後の救急救命講習は、応急手当と心肺蘇生法。山の作業でケガをした時の対処や、心肺蘇生に対処する「胸骨圧迫」「AED操作」を学びました。万一、山で仲間が倒れた時の対応ですので、受講するものは皆真剣そのものでした。心肺蘇生法は数年前大きく様変わりしました。私たちの講座も昨年から、現役の看護師さんの指導を受けるようになりました。救命の現場の熱い思いに指導され、皆さんいざという時ための知識・技術そして心構えができたと思います。
                                         (記 アシスタント Y.Y)
 
 左:応急手当と心肺蘇生法などを学習しています  右:胸骨圧迫の実習
第5回 「天然林整備実習」 及び 「宿泊研修(森林観光センター)」
講座日 2014年9月3日(水) 場所 森林観光センターの遊歩道周辺
天気 晴 時々小雨    
 市民林業士養成講座も5回目ということで折り返しの節目にあたります。 毎年この時期に、受講者相互の親睦を深めるのを目的とした宿泊研修も同時に実施していますが、今年も大変有意義で充実した研修になりました。

 1日目、昨年は講座始まって以来の雨天実習中止 となり観光センター内で急遽座学に切り替えましたが、今年は何とか天然林整備実習を森林組合職員の指導のもとで実施できました。
 人工林の間伐実習は前回に行いましたが、天然林の整備は人工林と異なり、どの種類の木を伐採すれば良いのか、なかなか難しいものがあり受講者の皆さんも戸惑っていました。 樹木の名前を知らなければどの木を伐ればよいのかわかりません。切った後で、「これはヤマザクラだった」「ミツバツツジだった」とか、まさに後の祭りです。 そこで。昼休みには、森プラの理事長より、木の名前や、知る方法として葉や花などで判別することについて学びました。
 天然林整備実習終了後、森林観光センターの温泉で汗を流し自由参加の合宿研修に入りました。各班に分かれてのワークショップを行いました。テーマを「市民林業士養成講座受講後の活動」として、各班で話合いその結果をまとめて発表をしました。短時間のミーティングでしたが、充実した内容の発表が行われました。 その後は楽しみの夕食会や談話会(2次会)を実施、夜遅くまで話題は尽きませんでした。
 
 2日目は、朝食後、バイオマス燃料の現状を学び、その後、観光センターの木質ペレットによるボイラー装置を見学、クラフトセンターで木工クラフトの体験を行いました。簡単なキット工作でしたが、材料に焼きを入れ、研磨器具による磨きなど、普段は使えないような工程を体験し、ちょっとした工作にも体験してみないとわからないノウハウを実感、昼前に解散しました。
 高槻市と大阪府森林組合は全国に先駆け、国の補助事業として、間伐材等を有効活用する代替エネルギーのバイオコークス製造工場を中畑地区に建設し、昨年は事業ベースの運転を行っていました。この工場を見学することは、合宿の目玉だったのですが、今回は種々の事情により実施することはできませんでした。しかし、再生可能エネルギーの現状を現場感覚で教えて頂きました。教科書的な知識や、マスコミレベルの表面的な情報とは大きく違った、本音の現場感覚の話に得ることが多かったとの感想があふれていました。
 
 宿泊研修を通じて、受講生どうしの親睦ができ、それが今後の実習での連携に繋がっていくのではないでしょうか。
                      (記 アシスタント Y.Y)
 
写真 上から順に: 遊歩道周辺の整備作業。樹木観察会。
             ワークショップの発表。
             工作体験(バーナーで焼き入れを行っています)。
第4回 「森林作業入門(人工林、間伐・枝打ち等)」
講座日 2014年8月20日(水) 場所 樫田 中畑地区
天気 晴 時々曇    
  大阪府森林組合三島支店のプロの林業士の方の指導を受けながら、初めての森林作業の実習を行いました。多くの方にとって、初めての山中での間伐、枝打ち作業だったようです。
 当日は風がなくて蒸し暑かったですが、下界と比べ意外と過ごしやすかったのではないでしょうか。皆さん良い汗をかかれた事と思います。
 ノコギリの正しい使い方から、枝打ちの仕方、伐木の基本などを実習しましたが、何よりも、安全に作業を行う事が大切だという事も実体験として学びました。
 今回は緩斜面であったことや、伐木入門に適した小径木であったこともあり、受講生の皆さんも無理なく作業をこなすことが出来たと思います。とはいえ、斜面での作業、足場の不安定さや、姿勢のとりかたなど、戸惑われた方も多くおられたと思います。
 選木の際に、「枝打ちを適切に行っていない場所のため、良い木は生えていません。」という講師の方の言葉がとても印象的でした。“木”を“木材”として生産する場合、人間が様々な手入れを行う必要がありますが、それが不十分な場合、木の価値が無くなってしまいます。実習地は以前より、市民林業士養成講座において、枝打ちや間伐を行っていたのですが、手入れの時期を逃してしまうと、何十年もの苦労(育てた木)がムダになることを実感しました。
 ただ、暗い話題だけではありません。今回、間伐を行ったことで、林内が以前よりさらに明るくなりました。伐木した後、上を見上げると、ぽっかりと空が見通せます(写真)。これが間伐なのだと体感できる瞬間です。今後は、日光が地表に届くので、下草がさらに生え、豊かな植生に変化し、保水力の高い森林へと変わることでしょう。
 皆さん、人工林管理の難しさと楽しさを体験された充実した一日でした。
                                         (記 アシスタント Y.Y)
 
伐木の前と後。この様に空間が空くことにより、木は丈夫に成長することが出来ます。

 
実習 左:作業前の注意事項、作業の方法などを学習しています
    右:伐木。緩斜面ですが姿勢のとり方は基本です。
       足の位置、ノコギリの入れ方、様々な事に気を配ります。女性ですが姿勢が見事。
第3回 午前 森林作業の安全・ルール」  午後 「森のしくみ2」
講座日 2014年8月6日(水) 場所 高槻森林市民交流センター
天気 曇り    
 今日で3回目、3回連続全員出席は、この講座始まって以来の快挙ではないでしょうか。
 午前の講義では、実習「森林作業入門」を次回に控え、森林作業を安全に行うためのさまざまな注意事項を、学びました。講師は、林業士養成講座第3期の卒業でNPO法人森のプラットフォーム高槻で長年活動されている役員の方です。
 作業にあたっての服装、靴、伐木・造材作業、チェーンソー作業、刈払機作業、等に関する安全についての話が中心でしたが、講師の方の経験を踏まえた具体的で丁寧な説明に、受講生の方も森林作業の安全を改めて認識されたと思います。そして、「1/100秒の安全意識」と「ご安全に」との挨拶を心掛けることが事故を発生させないために大切だと学びました。
 伐木という言葉から、木は切るものと思われがちですが、森林作業では切り離してしまう切り方は危険です。切るのではなく倒すものだと学び、受講生の皆さんはきっと驚かれていたと思います。
 午後は、第一回目の講義を引き継いで「森のしくみ2」、谷本五郎先生(大阪森林インストラクター会、森林インストラクター)による講義でした。
 前回の内容を引き継ぎ、森林生態系に関する話や、森林の果たしている役割などを学びました。更に植物そのものの構造や、繁殖形式などを学びました。こうした知識は、どうして森林の手入れが必要なのかを理解するには大切で、これからの森林作業行うために必要となる基礎知識です。講義の後の質問は、専門的なことだけではなくより身近な疑問に関するものが多くありました。森や植物の事を改めて捉えなおす良いきっかけになったと思います。
                                         (記 アシスタント Y.Y)
第2回 午前 「高槻の森林の現状」 午後 「高槻の森林視察」
講座日 2014年7月23日(水) 場所 高槻森林市民交流センター
天気 晴れ    
  高槻市産業環境部農林課課長 前地利治 氏による講義、NPO法人森のプラットホーム理事長小柿正武 氏、大阪府森林組合三島支店 北建夫 氏による、高槻の森林の実態視察。
 自分達が住んでいる市に驚くほどに森林が広がっている事や、高槻の山には人工林が多い事、そして森林の殆どが私有林であることなどを座学で学び、そして実際に見ることで体感できた1日でした。美しい山並みと同時に、手入れの滞った荒れた山林。良い面も問題のある面も、まさに「百聞は一見にしかず」です。
 高槻市の樫田地区に、世界で初めてバイオコークス工場が建設され稼働したことを知った事は、市民の一人として、驚きと誇らしさを感じる授業でした。高槻市が進めるバイオマスタウン構想は、森林整備活動を広げるためにも大切な事だと理解できました。しかし残念なことに、このバイオコークス工場を取り巻く経済環境が厳しくなっていると聞きました。製造工程で使用する電気が、料金の高騰で稼働が難しくなったとか。脱原発・卒原発、脱化石燃料を背景に再生可能エネルギーの開発を目指す試みが、原発が稼働出来ない事により経営が難しくなっている現実は皮肉なものです。
 この数年の「高槻の森林視察」の特徴は、作業道の整備と高性能林業機械の実地見学です。林業の機械化を進めている実態も体感することできました。 講義の中で、「青い山脈」の曲の着想が北摂の山並みだと簡単に紹介されました。北摂の山並みを省線(JR)の車窓から見て、そのメロディーを着想したと聞きます。昭和23年頃の事でした。
                                         (記 アシスタント Y.Y)


作業林道から望む高槻の美しい山並の景観は3年でこのように変わりました。
                                 (左:H23年 右:H26年)
第1回 午前 「開講式」「第一回講座〈森のしくみ1〉」
午後 「基調講演  〈山の人たちが言うことに耳を傾けよう〉」
    「オリエンテーション」
講座日 2014年7月9日(水) 場所 高槻森林市民交流センター
天気 晴れ    
  2014年度第11期市民林業士講座が開講されました。 今年は58人の応募から厳正な抽選で選ばれた、精鋭22人でスタートしました。
 今年の基調講演は、京都大学大学院農学研究科森林科学専攻 柴田昌三 教授による「山の人がいう事に耳を傾けよう」。現在の日本の森の実情や林業の状況を具体的に分り易く、そして本質を深くつくお話を伺うことができました。
 色々な話の中でも、個人的には、今年復活する祇園祭の大船鉾にまつわる話が印象に残っています。マスコミニュースでは伝統と芸術品の話題で染まっていますが、ここは林業士の講座、先生の視点は、大船鉾の材料、木材の調達など資材の確保に向けられていました。山や鉾は、毎年組み立てなおします。そのため、大船鉾の曲線部分は曲げて固定するわけにはいきません。掘り出して作られるといいます。そのためには、材となる木が太くなければなりません。今の日本では、こうした材の調達が困難になっています。
 柴田先生の講演は今年で3度目ですが、毎回違ったテーマで、いつも新しい学びがあります。
 僅か22人の講座で京都大学の現役の教授の講演をお聴きできるとは受講生の皆さんも思っていなかったのではないでしょうか。
 午前中の座学「森の仕組み」(講師:森林インストラクター 谷本五郎 氏)では、日本が世界でも有数の森林国である事や、森林の構造、森の生態系の事などを学びました。
 開講日のすぐ後、台風8号のもたらした大雨で土石流被害が発生しました。土石と一緒に押し倒された生木や切り捨てられた間伐材も大量にあり、災害の原因の一つになっているように見えました。
これからの半年、この講座を通して、改めて人と森林とのかかわりを考えたいと思います。
                                         (記 アシスタント Y.Y)
写真 講演の柴田先生


 
特定非営利活動法人   森のプラットフォーム高槻
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