林業士講座より
第11回 午前「森林の文化」 引き続き「閉講式」 「親睦会」
講座日 2011年12月14日(水) 場所 高槻森林観光センター 研修室
天気 晴れ    
 市民林業士講座は最終回を迎え、平成23年度の講座は全て終了しました。
 受講者の皆さんのご協力とご努力 のおかげで、事故もなく充実した講座を実施出来たのではと感謝しています。最終講座の「森林の文化」は、本講座の集大成であると同時に、受講した皆さんの今後の活動の指針としてふさわしい内容となるものでした。
 引き続き行われた閉講式では、高槻市や森林組合などから祝福の挨拶を受け、一人一人に市民林業士認定証が手渡されました。受講生の皆さんは、これで晴れて市民林業士の一員となられました。この講座の経験を眠らせてしまうことなく、市民との懸け橋となって活動を始めて頂けることと固く信じています。こうした思いを、修了を祝う親睦会で皆さんと共に語り合い、今年の講座を閉じる事が出来ました。 関係各位の皆さんにはこの記事を通じて、改めて御礼申し上げます。                       (アシスタント Y.Y.記)
  
市民林業士認定証(兼修了書)手にした皆さんをかこんで
第10回 午前「ボランティアの任務」 午後「チェーンソーの体験」
講座日 2011年11月30日(水) 場所 高槻森林市民交流センター
天気 晴れ    
 市民林業士講座も10回目を迎え、残すところあと1回となりました。受講者の皆さんも大変頑張ってこられました。
 今回は、講義と体験講習でした。
 「ボランティアの任務」では、森のプラットフォーム(森プラ)小柿理事長が、ボランティアの心構えと活動などについて具体的な事例を挙げて話され、非常に分かりやすい内容でした。「楽しさ7割、義務3割ぐらいのつもりで活動することが、長続きさせるための秘訣である」との話には含蓄があり、受講生の皆さんもうなずかれていました。
 「チェーンソーの体験」は森林組合の小川所長の指導のもと、屋外でチェーンソーを使用しての講習でした。最初に、機械の構造と手入れなどを教えて頂き、受講者一人一人が実際に操作、丸太の玉切りに挑戦しました。皆さんにはチェーンソーは好評でしたが、「作業には効率的で便利だが、大変危険な道具である。」という認識も得る事が出来ました。
                                       (アシスタント M.I.記)
  
チェーンソー体験:左 小川所長の玉切り模範  右 女性受講生の実技体験
第9回 竹林整備実習
講座日 2011年11月9日(水) 場所 原 城山地区
天気 晴れ    
 いよいよ市民林業士の講座も終盤に差し掛かり、今回は竹林整備の現場実習でした。場所は、第8回の森林整備活動事例で紹介されたアドプトフォレスト事業が行われている原城山地区の竹林を活用して実習を行いました。  
 午前中は、平坦部の竹林を利用して竹林整備の実習です。雑木なども混じった手が入っていない竹林でしたが、太い親竹となるような竹は残しながら整備を行いました。これまで3回にわたって実践を重ねてきた経験からも作業が進み、これまで立ち入ることが躊躇されるような竹林に光が差し込む。一目で手が入った竹林に生まれ変わりました。
 昼食を挟んで、午後からは、孟宗竹の太い竹の伐採の実習を行いました。竹林の中には、枯れたヒノキなどもあり、その伐採も行いました。少し斜面も急で、足場も悪く、20m以上の孟宗竹となると、倒れる方向をも勘案しながら、ロープを掛けての伐倒作業となりました。込み合った竹林の中では、倒すことも一苦労でしたが、力を合わせた作業によって竹の伐採も捗り、より一層の整備が進みました。
 実習終了後、交流センターに帰って、文集作成についての話合いなどを行い、実習の一日を終えました。
         (アシスタント T.K.記)
孟宗竹の伐採実習を前に、ロープかけの方法を学んでいます
第8回 午前「府内での府民協働/森林整備活動事例」 午後「木材の利用」
講座日 2011年10月26日(水) 場所 高槻森林市民交流センター
天気 −−    
 社会環境や生活様式の変化にともない、森林が見捨てられている様は身近なところでいっぱいおこっています。「原城山」もその一つで、私が「森のプラットフォーム」に参加するきっかけを作ってくれた山の一つでもありました。
 「森プラ」の活動で、企業ボランティア参加の人々と竹林の整備等に参加していましたが、なぜ企業の方々が定期的に参加されているのか、おぼろげにしかわかりませんでした。
 小林先生の「原城山森づくり構想」の話を聞かせていただき、それは「大阪府アドプトフォレスト制度」を活用しての森づくりへの参加だと知りました。
 又、田中先生の「木材の特徴と利用」では、木材がいかに人や環境にやさしいかの話を聞かせて頂き、共感するところが大でした。
 今後は、生活様式が変化しているなかで、間伐で出た木材等の利用をどうしていくかが課題かと思いました。                            (アシスタント H.H.記)
  
小林先生(左) と 田中先生(右)の講義
第7回 間伐実習(人工林)
講座日 2011年10月12(水) 場所 原地区 ヒノキ人工林
天気 晴れ    
 原地区での間伐実習です。原地区での人工林間伐実習はこの講座が始まって初めてではないでしょうか。現地までの道幅が狭く、いつものマイクロバスは入れません。高槻森林市民交流センターからそう遠くありませんが、往きは2班に分かれ小型のバスで現地付近に移動しました。
 実習は鋸屋式間伐方法です。現場は、この方法に適した場所ではありませんでしたが、学習としての支障はありませんでした。
 急斜面、シダ類の繁茂等、実習の作業環境としては厳しい面もありましたが、3度目の実習ともなると、少し余裕も出てきたようです。 下草としてのシダ類は繁茂していて、暗すぎるほどの森ではありませんでしたが、枝打ちもされず、ヒノキの姿も妙に不揃いで未整備なのは一目で分かります。整備のやり甲斐がある森です。ひやりとした場面もありましたが、ケガもなく、快い疲労と共に今日の実習を終えることが出来、ほっとしています。
 帰路は、清々しい秋の空気を感じながら徒歩で戻りました。    (アシスタント Y.Y.記) 
  
鋸屋式  作業前のレクチャー風景(左)と実習風景(右)
第6回 午前 「林業の現状と課題」  午後 「森のしくみ2」
講座日 2011年9月28(水) 場所 高槻森林市民交流センター
天気 晴れ    
 この日は、完全座学の日。市民林業士養成講座は、体験、実習に軸足を置いていますが、森林や林業の事を詳しく知るための講義も充実しています。
 
 午前中は、大阪大学環境イノベーションデザインセンター特任教授栗本修滋先生による、「林業の現状と課題」について学びました。
 市民林業士というと、間伐や枝打ち等、山林に入り現場の作業を行い実際の森林保全活動を行うものとイメージしますが、先生は「森のしくみや林業の現状、歴史を市民に広く伝えることも非常に大切な役割です。」と話されていました。私たちは、日本は木造住宅に象徴される「木文化」が伝統の国だと自負していますが、実際には世界でも有数の森林をあまり活用できていません。安い木材、輸入に頼った木材利用では、「木文化」後進国だと気付かせて頂きました。

 午後の講義は、森林インストラクターの菅沼洋先生による、「森のしくみ2」でした。開講式の日の「森のしくみ1」の続きの講義です。
 森のしくみから考えると、福島原発事故のこれからが見えてきます。森は、現状では樹冠の葉に多くの放射性物質を抱えています。ところが、落葉広葉樹がこの秋にその葉を落とした後には、放射性物質は地上に移動します。 そして分解が進む中で、水と共に更に移動が始まるでしょう。飲み水に、稲作の灌漑水にとつながるのでは。 今後の深刻な課題が理解出来てきます。おりしも、マスコミ報道でも、森林の放射能汚染のニュースが取り上げられています。 又、良く知られている森林浴だけでなく、森林で発せられている超高周波音(聞こえない) が人間の脳幹に直接働き良い効果を与えているという事も興味深い話題でした。
                                     (アシスタント Y.Y.記) 
  
       左:栗本先生の講義風景             右:菅沼先生の講義風景
第5回 1日目:天然林整備実習  オプション:宿泊研修
講座日 2011年9月14(水)
       −15日(木)
場所 中畑の山林
  及び 森林観光センター
天気 晴れ    
 市民林業士養成講座も5回目ということで質量ともに充実してきました。
 今回は、受講者相互の親睦を深めるのを目的とした宿泊研修も実施しましたので、大変有意義で充実した研修になったのではないかと思います。
 1日目は、整備実習に入る前に、バイオコークスを製造する工場(中畑)の見学をしました。高槻市と大阪府森林組合は全国に先駆け、国の補助事業として、間伐材等を有効活用する代替エネルギーのバイオコークス製造工場を中畑地区に建設し、今年度、商業ベースの実証運転に入っています。
 見学の後、本来の天然林整備実習を森林組合職員の指導のもとで行いました。 人工林の間伐実習は以前に行ったけれど、自然林の整備は人工林と異なり、どの種類の木の整理をすればいいのか最初は迷っていました。が、指導よろしきを得て、時間の経過と共に上手に整備ができるようになっていました。昼休みには、森プラの理事長より、木の名前や、知る方法として葉や花などで判別することについて学びました。
 天然林整備実習終了後、森林観光センターに移動、温泉で汗を流し合宿研修に入りました。各班に分かれてのワークショップを行いました。テーマを「市民林業士養成講座受講後の活動」として、各班で話合い、まとめ発表をしました。色々な意見が出たのでまとめるのは難しかったようです。
 その後は楽しみの夕食会や全体交流会(2次会)をもって和やかなうちに1日目は終わりました。
 2日目は、自由参加という事で、朝食後、森林観光センターの「しいたけセンター」の見学と、森プラが森林観光センターより受託している「木工クラフト体験」をして解散しました。
 講座も5回目になり宿泊研修ということで、受講生どうしの心の触れ合いも深まったように思います。それが今後の活動に繋がっていくのではないでしょうか。  (アシスタント M.I.記)
写真 バイオコークス工場見学 
 
左:粉砕され繊維状のもの   右:製品のバイオコークス  収量は100%という
第4回 午前「森林作業の安全ルール」 午後「救急救命講習」 
講座日 2011年8月31日(水) 場所 高槻森林市民交流センター
天気 曇り    
 残暑厳しい中、「森林作業の安全ルール」と「救急救命」の講習を行いました。
 「森林作業の安全ルール」は伐木・造材作業、刈払機作業、梯子の使い方等に関する安全について、講師の方の経験を踏まえた丁寧な説明がありました。受講生の方も森林作業の安全の大切さを、改めて認識されたと思います。「1/100秒の安全意識」と「ご安全に」との挨拶を心掛けることが事故を発生させないことに繋がるといえます。
 「救急救命講習」には、林業士講座OBの方も参加され、高槻北消防署の方から「胸骨圧迫法」や「AEDの操作方法」等を熱心にご指導頂きました。救急救命は人工呼吸・胸骨圧迫・AED等の作業を救急車が到着するまで継続させる大変な作業です。万が一の時は実習での経験を生かしたいものです。
 今回の講習は、日常生活でも活用できる内容であり、テキストを熟読して忘れないように心掛けたいと思います。
                                        (アシスタント Y.T.記)
写真 受講生による救急救命実習
第3回 「間伐実習(人工林)」 
講座日 2011年8月10日(水) 場所 高槻市大字中畑
天気    
 大阪府森林組合三島支店の職員の方による、間伐実習の講義がありました。
 今回は、人工林の中でロープを11m×11m四方で囲み(現場は斜面のため、地図上で10m四方で囲むため)、木の本数を数え、30%間伐を行いました。
 選木の際に、「枝打ちを適切に行っていない場所のため、良い木は生えていません。」という講師の方の言葉がとても印象的でした。“木”を“木材”として生産する場合、人間が様々な手入れを行う必要がありますが、それが不十分な場合、木の価値が無くなってしまいます。実習地は以前より、市民林業士養成講座において、枝打ちや間伐を行っていたのですが、その時期を逃してしまうと、何十年もの苦労がムダになることを実感しました。  
 ただ、暗い話題だけではありません。今回、間伐を行ったことで、林内が以前よりさらに明るくなりました。今後は、日光が地表に届くので、下草がさらに生え、豊かな植生に変化し、保水力の高い森林へと変わることでしょう。  人工林管理の難しさを考えさせられた一日でした。
                                        (高槻市 J.M.記)
写真 受講生による間伐作業
第2回 午前「高槻の森林の現状」 午後「高槻の森林視察」 
講座日 2011年7月27日(水) 場所 高槻森林市民交流センター/林道
天気 曇り    
 2011年度第8期市民林業士講座が開講されました。
 高槻市農林課課長畑昌広氏による講義、NPO法人森のプラットホーム理事長小柿正武氏による、森林の実態視察。自分が住んでいる市に驚くほどに森林が広がっている事を、座学で学び、そして実際に見ることで体感できた1日でした。美しい山並みと同時に、手入れの滞った荒れた山林。良い面も問題のある面も、まさに「百聞は一見にしかず」です。
 中でも、高槻市の樫田地区に、世界で初めてバイオコークス工場が建設され稼働したことを知った事は、市民の一人として、驚きと誇らしさを感じる授業でした。高槻市が進める、バイオマスタウン構想は、森林整備活動を広げるためにも大切な事だと理解できました。
 講義の中で、「青い山脈」の曲の着想が北摂の山並みだと簡単に紹介されました。茨木から高槻辺りの山並みを省線(JR)の車窓から見て、そのメロディーを着想したと聞きます。昭和23年頃の事でした。    (アシスタント Y.Y.記)
写真 新しく建設された作業林道から望む高槻の美しい山並
第1回 午前 「開講式」「基調講演 〈3.11の災害と森の文明〉」
午後 「オリエンテーション」 「第一回講座〈森のしくみ1〉」
講座日 2011年7月13日(水) 場所 高槻森林市民交流センター
天気 晴れ    
 2011年度第8期市民林業士講座が開講されました。
 今年度の市民林業士講座も、国際日本文化研究センター教授安田喜憲教授による基調講演から始まりました。テーマは「3.11の災害と森の文明」。世界的に著名な先生の生の講義をお聴きできるとは思っていなかった受講生の皆さんには、少なからず良い刺激を得られたことでしょう。私自身が6年前に先生の講義をこの場で受けた時の感動を思い出します。
 この記録をまとめている今、森林ボランティアの技術・経験が東北の漁業者に求められている事実を知りました。流されたカキの養殖筏を復旧するのに、杉の間伐材を切り出さなければならないのだそうです。手鋸で、チェーンソーで、そして人力での運びだし。災害復旧、復興、新生は、総合力のようです。ボランティアの力が本当に必要なのはこれからのなのだということを実感しています。
 午後は、「森の仕組み」の座学。日本が世界でも有数の森林国である事や、森林の構造、極相林の事などを学びました。   (アシスタント Y.Y.記)
写真 熱演の安田先生


 
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